ミュージシャンが考えるお酒と人のコミュニケーションとは


人:松本誠治(the telephones / Migimimi sleep tight / We Come One)


様々なヒト・ミセ・モノ・コトをshiraferが紐解いて行くインタビュー企画「shirafer×人」。 

今回のゲストは、地元北浦和のステージから始まり、さいたまスーパーアリーナのワンマンまでをも成功させた、日本の音楽シーンをを牽引し続けるバンド「the telephones」のドラマー松本誠治さん。

 第一線で活躍するミュージシャンが語る、“音楽と酒”の関係とは!? 


音楽シーンにおいて“お酒”の存在とは 

お酒って、“みんなが良いピーク値”にたどり着くためのアイテムであり手法だと思うんですよね。


今日はこのライブ、このイベントでアガりたい!と思った時にお酒があると楽しくなれるし。 


僕はお酒が大好きなんですけど(笑)、例え飲めない人であっても、周りにお酒があることによって生まれるコミュニケーションみたいなものがあるのはお酒が持つ大事な役割のように思いますね。 


楽しむことに絶対お酒が必要なんてことはない 

地元北浦和のバンドで、“RIDDLE”というバンドがいるんですけど、中心核である平野兄弟は2人とも下戸なんですよ。 


 でもあいつらは打ち上げの場も好きなんですよ。


なんなら誰よりも最後まで残ってたりして(笑) こういう人って珍しくなくて、飲めないけどその場が好きだとか、所謂お酒のアテって言われるようなおつまみ系が好きだったりとか。 


僕らのバンドのお客さんにもありがたいことに未成年の方も遊びに来てくれますし、年齢に限らず生まれつき苦手な方も当然いますよね。 


バンドの打ち上げ、一緒にライブに行った仲間、会社の忘年会、 仲間と何かを成し遂げた後にカンパイをするというカルチャーは決してお酒が前提ではなくて、仲間と同じ感情を共有することができるっていうことが大事なのかなって思いますね。 


大事なことはちゃんと個性を活かせるか 


ただ、それこそ若い時は、お酒を飲めることによってコミュニティへの参加券を得た!みたいな変な優越感はありました(笑)。


お酒が飲めることによって先輩に可愛がってもらったり、お酒の話で繋がったコミュニティだったり。 でもさっき出てきたRIDDLEの2人なんかは、お酒が飲めないことにより誰よりも長く打ち上げに残れたり、僕と違って記憶がしっかりしていたり(笑)。 


 これは優劣の話じゃなくて、それぞれがそれぞれの個性を活かせば良いんだと思います。  


極端に言えば「右利き・左利き」と一緒 

お酒が飲める人って、結構誤解があると思うんです。 


飲めない人だってお酒を飲んでる人と同じように音楽を楽しんでるし、ハッピーだし、フルで感情を開放して色んなものを受け取っているんですよ。 


 一部かもしれないですが、そういう人たちを追いやってしまう風潮が存在するのも事実であって。 

でもそんなのは全くのナンセンス。 


飲む・飲まないに限らず、同じ空間を楽しみに来た仲間なのだから、お互いがお互いをしっかり尊重してくれたらもっと楽しい空間ができる思いますね。 


 言ってしまえばお酒の強さなんて、右利き・左利きの違い程度なものだと思うんですよ。 

 個性であって良し悪しではないということを伝えたいですね。 


ルールは僕ら主催者が決めるものではない 


これは僕がイベントを企画する時に大事にしていることなんですが、 そもそも「ご来場の皆様」が全てなんですよ。 


お客さんより偉い人はいないし、演者より偉い人もいない。会場のスタッフも同様で。 


僕は主催者としてイベントを仕切ることはしますけど、集まってくれる人がいなかったら、会場を回してくれる人がいなかったら、イベントなんて成立しない。 


だからこそ、無法地帯にしたいのではなくて、 あなた達皆様のマナー、あなた達皆様のモラル、その中で楽しんで欲しいし、お互いを尊重して欲しい。 

もっと言えば、参加されている皆様のモラルに準じて自然にルールができれば理想です。 


僕ら主催者ができることとすれば、そこにいる人々、そこで起きたことを最後までしっかり見届けることですね。 


「この人、今ちょっと嫌な顔したな」 「この人、飲めないけど楽しんでるな」 


カンパイの後に空いたグラスとお客さんの顔を見ながら、そんな風に事細かく空間を俯瞰して見ることが主催者という立場の人間が最も大事にしなければいけないことだと思いますね。 


なのでこれはお酒の事に限った話ではないですが、 もし周りで嫌な顔をしている人を見たら、スタッフの人に積極的に教えてあげて下さい。 


その気持ちこそが、日本人が持つ素晴らしい思いやりの文化だし、 みんながハッピーでいられる空間を作ることにも繋がると思うので。 


楽しめるアイデアを作ることをみんなで考えたい 

現実問題として、やっぱり飲めない人ってどうしても劣等感と言うか、ある種の悔しさみたいなものを持っている場合もあるんですよね。 


これは僕も勿論ですが、是非shiraferプロジェクトとして考えて欲しいことでもあるのですが、ノンアル勢が楽しめるアイデア・商品を考えるっていうことも期待したいです。 


アルコールは入ってないけどなんか気分がアガるモノと言うか。 


例えばエナジードリンクのようにアルギニンが入っていたり、(あくまで健康に良いという前提で)テンションがアガる何かみたいな。 もしそう言うドリンクの開発ができるとするならば、僕も協力したいし応援したい。 


当然、飲めないからと言って劣等感を感じる必要は全くないのですが、 同じように楽しみたい、気分をアゲたいというニーズがあるとするならば、 そういうチャレンジをすることもshiraferが掲げるカルチャーの一助になるかもしれないですね。 


決して“排除”をしてはいけない

今はまだ、お酒が飲める人の方が何となく立場が強いという風潮だけれども、 もしshiraferが大きなカルチャーになったとしても、決して排除をするようなことにはなって欲しくないと思います。 


 例えば「ノンアルハラ」みたいな言葉が出来るかもしれないし、お酒が好きな人が社会的弱者になってしまうかもしれない。 立場が変われば、時代が変わればそういったことが起きるかもしれない。 


ノンアルをみんなが楽しめるようになった時、 お酒が好きな人たちが悲しくなるようなことにはなって欲しくない。 実際、僕はお酒が大好きなので(笑)。 


お酒でも音楽でも、“共存”を大事にしたいですね。 


これが良い、これが好きは個人の好みだけれど、“これが一番”と言い切ることはとても難しいと思うんです。 今回のプロジェクトのお話を聞いて、shiraferは概念であると感じたんですよ。 


とても重要だし、素晴らしい概念を作ろうとしているように感じるので、 だからこそ、その概念が支配してしまった場合のことも考えてくれたら、嬉しいです。 


shirafer読者へメッセージ

“飲めない”は全くもって悪い事でもないし、ノリが悪いということでも無いので。 


「え?酒よりコーラの方が美味くないですか?」 

「この料理はウーロン茶の方が合いますよ?」


そう感じるのであれば、それでいいでしょ!と、僕は思います。 

変な同調圧力を与えるような人・場所からは逃げちゃえば良いんですよ。 


でもね、実際問題、新入社員の方々とか、立場によってはなかなかそうはい行かない時もあることも事実で。 


無理をしないことも大事ですが、同時に仲間を増やすということも大事だと僕は思うので、どうしようも無い時は嘘を付いてもいいじゃないですか。 


「昔お酒で迷惑をかけた時にじいちゃんにめちゃくちゃ怒られて。

そん時に“ワシが死ぬまで飲むな!”って言われたんですよ。」 

「ちょっと明日早くから車の運転がありまして…」 とかね(笑)。 


飲まなきゃいけないみたいな、そんなつまらないパーティーマナーによって、 

大切な人材・才能・コミュニティが破壊されてしまうことが一番もったいない。 


飲めない人には意固地になり過ぎずに上手く立ち回れる術を身に付けて欲しいなと思います。 


それ以上に、飲める人には空気をちゃんと読んで欲しい。 


イベントにおいても人生においても、個人個人を尊重して、 みんなが楽しくなるような空間を作って行きたいと思っています。 



今回の「人」 松本誠治(the telephones / We Come One) 

1983年生まれ。 

the telephonesのドラムスとして活躍。 

また、不定期開催イベント「We Come One」のオーガナイザー、大宮BaseのDJとしても活動中。


Twitter:https://twitter.com/sei_j_matumoto the telephones 

OFFICIAL SITE http://thetelephones.net 


今回の「店」 やきとり 志げる 北浦和本店(埼玉県さいたま市浦和区北浦和3-1-7) 

OFFICIAL SITE https://shigerukitaurawa.owst.jp 

 取材・文=小石川 泰弘(shirafer編集部)



小石川 泰弘

4inc.CEO / FIT INC. COO
平成生まれ。バンドマンの道を諦め、大学卒業と共にPR・広告業界に飛び込む。日頃からお酒の席が多く、飲めないことにコンプレックスを抱いていたが、ある日NYのシラフカルチャーを知り、「シラフであるからこその楽しみ方」を追求したいとshiraferを立ち上げる。お酒は飲めないが、飲み会が好きで人と集まることが好き。「飲む人も飲まない人もみんなが楽しくできる世界」を目指して奮闘中。


-シラフを楽しくするメディア-

shirafer-シラファー-は、お酒の強さに関わらず、誰もが自由なライフスタイルを目指して日々発信しています。 皆様の体験談やご意見・ご感想など、contactよりお気軽にご連絡下さい。 「飲む人も飲まない人も、みんな楽しく」

0コメント

  • 1000 / 1000